自民党総裁に高市早苗氏が就任しましたね!
奈良県出身の衆議院議員である高市氏は、故安倍晋三元総理の政策や考え方を最も色濃く受け継ぐ「保守本流」のリーダーとして知られています。
海外メディアからは「女性安倍」とも呼ばれる彼女が総理大臣になると、単に日本の政権が変わるだけでなく、日本の政治の方向性を大きく変える「保守革命」の再起動だと見られています。
これまでの穏健な中道路線とは違い、高市氏は「強い国家観」と「実行力」を重視するスタイルです。
彼女の政策は「劇薬」とも評されるほど大胆だと言われていますが、私たち国民の生活、そしてアジアとの関係はどう変わるのでしょうか?
私なりの予想や出ている情報を分かりやすくまとめてみました!
私たちの財布はどうなる?「サナエノミクス」の光と影
高市氏の経済政策、通称「サナエノミクス」は、アベノミクスの基本方針である「大胆な金融政策、機動的な財政出動、成長戦略」を踏襲しています。
しかし、今の物価高の時代に合わせて、より具体的な対策が打ち出されています。
①今すぐ対応!物価高と賃上げへの緊急支援
高市氏が最優先するのは、物価高に苦しむ国民生活への支援です。
- 赤字企業も賃上げできるように:今までの賃上げ税制は黒字企業しか使えませんでしたが、高市氏は「交付金」を使って、赤字の小規模事業者でも賃上げができるよう、自治体から補助金を出す仕組みを検討しています。これは全国的な賃上げを後押しする積極的な介入策と言えそうです。
- 社会インフラの防衛:病院の7割が赤字、介護施設の倒産が過去最多という深刻な状況に対し、「補正予算で緊急対応」を表明しています。社会の基盤を守ることが最優先される方針です。
- ガソリン税の廃止:ガソリン価格の高騰対策として、「暫定税率廃止の法案を臨時国会に提出する」とのこと。施行までは基金で価格を下げるなど、生活への負担軽減を急ぐ姿勢が見えます。
これらの緊急対策の財源は、「増税をしない」方針で、税収の上振れ分や基金の残高を組み合わせるとしています。
②長期的な所得支援と金融政策のジレンマ
短期的な対策だけでなく、長期的な制度改革も視野に入れています。
- 給付付き税額控除の検討:消費税減税には慎重な一方で、「中低所得層を支援する有効な方法」として「給付付き税額控除」の検討を進める意向です。ただし、この制度は導入に数年かかると見られており、即効性のあるバラマキは避けて、じっくりと制度改革を進めるようです。
- 金融緩和の維持:高市氏は安倍路線を継承するため、日銀の利上げタイミングは遅れる可能性が高いです。これは円安を容認し、輸出を後押しする戦略の継続を意味します。
【ちょっと心配な点】
金融緩和を続けて円安が進むと、輸入物価がさらに高くなり、ガソリン税廃止などの財政対策の効果が相殺されてしまうかもしれません。インフレ対策と金融緩和の継続、この矛盾をどう乗り越えるかが大きな課題となりそうです。
政策分野 | 具体策 | 目標とする効果 | 関連する財源/課題 |
物価高対策 | ガソリン暫定税率の廃止(施行まで基金で対応) | 消費者負担の軽減、経済活動の維持 | 税収の上振れ分、基金残高の活用 |
賃上げ支援 | 交付金を活用した自治体からの補助金制度 | 赤字企業や小規模事業者の賃上げ促進 | 賃上げ税制の恩恵を受けられない企業への対応 |
所得支援 | 給付付き税額控除の検討 | 中低所得層の支援、格差是正 | 制度設計に数年単位が必要、長期的な課題 |
金融政策 | 日銀の利上げを遅らせる可能性 | 輸出産業の競争力維持、金融緩和の継続 | インフレ環境下での金融政策の制約増大 |
エネルギー政策の大転換:脱炭素より「安全保障」
高市氏のエネルギー政策のキーワードは「エネルギー自給」と「テクノ・ナショナリズム(技術による国家力の強化)」です。
①原子力発電への「絶対的な回帰」
高市氏は、原子力発電を「エネルギー戦略の絶対的な中心」と位置づけています。
- 再稼働の強力推進:安全性を大前提としつつ、既存の原子力発電所の再稼働が強力に推進されるでしょう。
- 次世代技術への投資:特に「小型モジュール炉(SMR)」や、究極のエネルギー源とされる「核融合」技術の開発に、国として大規模な投資を行うべきだと主張しています。核融合は、「日本の新たな輸出産業になり得る」との期待も込められています。
これまでの再生可能エネルギー一辺倒の路線から舵を切り、まずは電力の安定供給とエネルギーの自給率向上を最優先する姿勢が明確です。
太陽光発電の「乱開発に批判的」な意見も示しており、再生可能エネルギーの中でも国産化しやすい地熱やバイオマスなどが選別的に重視される可能性があります。
社会と伝統:皇室と少子化対策の行方
高市氏は、経済だけでなく日本のアイデンティティに関わる問題についても強い保守的な考えを持っています。
①皇室典範改正の論争
皇位継承問題について、高市氏は一貫して「男系男子」の伝統を強く守る立場です。
女性宮家の創設や女系天皇の可能性を排除する方向で議論を主導しようとするでしょう。
これは保守層からの支持が厚い一方で、愛子天皇待望論など柔軟な継承論を望む国民の一部との間で意見の対立が深まる可能性があります。
②少子化対策の「安定財源」ジレンマ
岸田政権が打ち出した「異次元の少子化対策」(3兆円半ばの規模)は、基本的に高市政権が引き継ぎます。
- 支援拡充:児童手当の所得制限の撤廃、高校生までの支給延長、「こども誰でも通園制度」の実施検討などが具体的に進められる見込みです。
- 最大の難題:財源これらの対策の財源として、「社会全体が公平に広く負担する新たな枠組み『支援金制度』」が検討されています。政府は「歳出改革で実質的な追加負担は生じない」としていますが、この支援金制度は事実上、
- 社会保険料の引き上げなどによる国民負担増につながる可能性が高いです。増税を避けている高市政権にとって、この財源問題は最も難しい政治的判断となるでしょう。
アジア外交はどうなる?強硬姿勢の行方
高市政権の誕生は、外交分野に最も明確な変化をもたらすと見られています。
①中国・韓国との構造的な緊張
高市氏は、日本の過去の「植民地支配と侵略」を謝罪した村山談話や河野談話に対し、距離を置く考えを示しており、靖国神社への参拝や真榊奉納を続ける可能性が高いです。
- 中国の懸念:中国共産党系のメディアは、高市氏が強硬姿勢であることから、両国関係に「新たなリスクをもたらすことは疑いがない」と分析しています。中国外務省は、「歴史や台湾などの重大問題における政治的約束を忠実に守ること」を望むと表明しました。
- 韓国の懸念:韓国政府は協力継続の意向を示しつつも、「保守的な発言が関係を後退させるのではないかと心配だ」という懸念が政府関係者から出ています。
高市政権下では、日中・日韓関係の「冷え込み」がイデオロギー対立に基づく構造的なものとして常態化するリスクがありそうです。
②台湾との「揺るぎない友好関係」の深化
一方で台湾との関係は飛躍的に強固になるでしょう。
高市氏は「台湾にとって揺るぎない友人」と呼ばれており、台湾の頼清徳総統も熱烈な祝意を示しています。
高市氏は総裁選前に台湾を訪問し、頼総統と会談しています。
米中対立が激化する中で、高市政権は台湾を含む民主主義陣営との連携を明確に深めるというシグナルを国際社会に発することになります。
これは、日本の安全保障政策(防衛費増額、反撃能力保有など)と一体となり、東アジアのパワーバランスに明確な影響を与えるでしょう。
高市政権に対する主要国・地域の反応と予測される関係
国/地域 | 初期の反応 | 予測される関係性の変化 | 主な懸念/期待の根拠 |
中国 | 懸念、「新たなリスク」の到来を警告 | イデオロギー的対立の定着、強硬姿勢の継続 | 歴史問題、台湾問題への強硬姿勢、安倍路線継承 |
韓国 | 関係継続の意向を示すも、関係後退リスクを懸念 | 保守的発言や歴史観による関係悪化の常態化 | 靖国参拝や歴史問題での摩擦懸念 |
台湾 | 「揺るぎない友人」として熱烈な祝意 | 極めて強固な連携強化、安全保障協力の深化 | 高市氏の親台的な行動とインド太平洋戦略への貢献 |
米国 | 初の女性リーダーとして注目、経済交渉でタフな面も | 安保協力は安定、同盟国としての役割明確化 | 安倍路線継承による予測可能性と、日本の防衛強化への期待 |
まとめ:高市政権が私たちにもたらす変化
高市政権が誕生することにより、日本に「アベノミクスの積極的拡張」と「明確な保守本流」という二つの大きな流れをもたらします。
国内では緊急的な物価高対策や原子力回帰によるエネルギー自給率の強化が期待されますが、財政規律の弛緩や、少子化対策の財源を巡る国民負担増という厳しいジレンマにも直面することになります。
外交では、歴史認識を巡る摩擦で中国・韓国との関係は不安定化する一方で、台湾との連携はかつてないほど強化され、日本の国際的な役割がより明確になるでしょう。
高市政権は、これまでの停滞感を打ち破る「変化」をもたらす可能性を秘めていますが、その変化には必ず「リスク」も伴います。
これからの動向に、私たちも注目していきたいですね!
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